他のみんなは知っているのに、わたしだけ知らされていないなんて。
一人蚊帳の外。何も相談されなかった。
みじめで悲しかった。
二十二年間生きてきて、こんなに神様に見放されたと思ったことはなかった。甘ちゃんな人生かもしれないけれど。
大事なことなのに、大事なことだからこそ、部外者扱いされたのが悲しかった。
「どうにか撤回できないの? 解散なんて嘘です、これからも活動します、って言ってよ。ねえ」
食い下がるわたしに、亜依はあきれたような目を向けた。
「仕方ないよ。もう決まったことだし、これ以上は何もしたくない」
「いつ決めたの? わたしは聞いてない」
「そのことは謝るけど。うん、黙っててごめん。もうお酒はやめよう、ほら」
「やだ。謝ってほしくなんかない。わたしが欲しいのはそんな言葉じゃなくて」
「じゃあ、なんて言ってほしい?」
「どんな形になってもいいから、せめて活動休止にしてほしい。仕事を始めて、また落ち着いたらライブしよう」
「そんなの、誰かさんが許すと思う?」
亜依の発言が誰を指しているのは明確だった。
中途半端を嫌う、トライクロマティックのリーダー。遥人がそんなかっこ悪いことをするはずがない。
一度決めたことをひるがえさない。
それはわたしにもわかる。わかっている。
だから、おいしいとも思えないビールを飲み続けた。間違えて呑み込んでしまった悪いものを、お酒で洗い流すように。
一人蚊帳の外。何も相談されなかった。
みじめで悲しかった。
二十二年間生きてきて、こんなに神様に見放されたと思ったことはなかった。甘ちゃんな人生かもしれないけれど。
大事なことなのに、大事なことだからこそ、部外者扱いされたのが悲しかった。
「どうにか撤回できないの? 解散なんて嘘です、これからも活動します、って言ってよ。ねえ」
食い下がるわたしに、亜依はあきれたような目を向けた。
「仕方ないよ。もう決まったことだし、これ以上は何もしたくない」
「いつ決めたの? わたしは聞いてない」
「そのことは謝るけど。うん、黙っててごめん。もうお酒はやめよう、ほら」
「やだ。謝ってほしくなんかない。わたしが欲しいのはそんな言葉じゃなくて」
「じゃあ、なんて言ってほしい?」
「どんな形になってもいいから、せめて活動休止にしてほしい。仕事を始めて、また落ち着いたらライブしよう」
「そんなの、誰かさんが許すと思う?」
亜依の発言が誰を指しているのは明確だった。
中途半端を嫌う、トライクロマティックのリーダー。遥人がそんなかっこ悪いことをするはずがない。
一度決めたことをひるがえさない。
それはわたしにもわかる。わかっている。
だから、おいしいとも思えないビールを飲み続けた。間違えて呑み込んでしまった悪いものを、お酒で洗い流すように。

