シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~

 遥人はうつむいて、再びベースをつま弾き始める。
 もしかして……照れてる?
 わたしと夫婦になるのを想像して、耳まで赤くしてる?
 いやいやいや、ありえない。おこがましい考えだ。未来のスターと、ただの同級生。
 分不相応だ。釣り合わない。
 でも男と女だし、ありえないことでもないのかも?
 万にひとつの可能性くらいはあると思っていいはず。
 もてるくせに、特定の彼女は作らない俺様な遥人が、わたしを好ましく思っている……なんて設定、完全にミラクル。
 顔がにやけるのを止められない。
 それに、どうしよう。
 照れてる遥人って、思わず写真に撮りたくなるくらい、めちゃくちゃかわいいんですけど。

「ただいまー! 午後、防音ブース使えることになったよ。二時間」
「昼飯買ってきたぜー。チキンサンド売り切れで、チーズ系多めになったけど、いいよな」

 航と亜依が帰ってきて、二人の時間はあっけなく終わった。