「遥人が怖いのは、わたしじゃなくて、将来じゃないの……? わたしを怖がる理由なんてあるわけないよ」
「お前って、おどおどしてるくせに、どこか達観してるっつーか、最終的な行き先はわかってるって顔してる。船が壊れても、羅針盤だけあれば平気みたいな、余裕な感じで空を見上げて……」
「そんなつもりはないけど、そう見えてたら、ごめん」
「お前のそばにいると、俺は自分が小さな人間だって思う。失敗するんじゃないか、偉そうな口きいたくせに、誰からも顧みられずに朽ちて死んでゆくんじゃないかって、妄想じみた考えが浮かぶ……。今こうしてるのも誰かが撮ってる映画みたいなもので、実態なんかなくて、何かのはずみにぱちんと割れて消えちまいそうで……」
「何言ってるの、心配しなくて大丈夫だよ。大きなことを始める前に不安になるのは、遥人の頭がよすぎるせいだよ。いろんなマイナス要素を考えちゃうんでしょう? でも、バンドは成功するし、遥人はいい曲をたくさん作るよ。世界が変わるよ。遥人に憧れて、ベースを始める子もきっといるよ」
三人はこれから、青春のすべてをバンドに賭け、新しい音楽を作ってゆく。
トライクロマティックは徐々に学外からの人気を獲得し、知るひとぞ知るバンドという扱いから「最近来てる」扱いになる。ネットで話題になり、メディアからの取材申し込みが相次ぎ、スターダムを駆け上がるのは、あっという間だ。
「お前って、おどおどしてるくせに、どこか達観してるっつーか、最終的な行き先はわかってるって顔してる。船が壊れても、羅針盤だけあれば平気みたいな、余裕な感じで空を見上げて……」
「そんなつもりはないけど、そう見えてたら、ごめん」
「お前のそばにいると、俺は自分が小さな人間だって思う。失敗するんじゃないか、偉そうな口きいたくせに、誰からも顧みられずに朽ちて死んでゆくんじゃないかって、妄想じみた考えが浮かぶ……。今こうしてるのも誰かが撮ってる映画みたいなもので、実態なんかなくて、何かのはずみにぱちんと割れて消えちまいそうで……」
「何言ってるの、心配しなくて大丈夫だよ。大きなことを始める前に不安になるのは、遥人の頭がよすぎるせいだよ。いろんなマイナス要素を考えちゃうんでしょう? でも、バンドは成功するし、遥人はいい曲をたくさん作るよ。世界が変わるよ。遥人に憧れて、ベースを始める子もきっといるよ」
三人はこれから、青春のすべてをバンドに賭け、新しい音楽を作ってゆく。
トライクロマティックは徐々に学外からの人気を獲得し、知るひとぞ知るバンドという扱いから「最近来てる」扱いになる。ネットで話題になり、メディアからの取材申し込みが相次ぎ、スターダムを駆け上がるのは、あっという間だ。

