シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~

 合宿二日目。
 トライクロマティックの三名は、オリジナル曲を作るという課題に取り組んでいた。
 作業場所は前日と同じ、二年一組の教室だ。
 扇風機で暑さをしのぎ、しばしば雑談をはさみながら進める。

「授業があるわけじゃないけどさ、学校の中でこの教室が一番落ち着くんだよな。やっぱり毎日過ごしてるからかなあ」
「航、席どこだっけ」
「おいらは後ろから二列目の廊下側。遥人はどこ?」
「うるせえ。知ってて聞くな」

 一列目の一番真ん中、つまり教師に最も近い位置が遥人の席だ。
 くくく、と亜依が笑う。

「二学期になったらきっと席替えあるよ、うん。それまでの辛抱だね」
「お前は?」

 遥人が振り向く。
 いきなり話を振られて、すぐに反応できなかった。