季節は冬。

結斗とアリアはフランスへ迎うため

空港を訪れていた。

久しぶりのフランスの街。

弾む気持ちを抑え

結斗とアリアは飛行機に乗った。









あれから半年。









ジンは医者を目指すと言った。

医者は多くの命を救えるだろう。

リアのような人間を、一人でも多く救える。

それは、とても偉大な事。










そして結斗。









彼は「ドールマスター」として

沢山の人形を創り、直し。

多くの人々に幸せを与える。


その笑顔を見るたび

自分の「存在」を実感できる。















――…





「良く来たナ」


「元気そうだね、ジン」


「こんにちわ」


「アレ?アリアチャン?
でも君は…」


目を見開いて驚くジンに、結斗は言った。


「この子は列記とした完成体。
自分の魂で動くアンドロイドだよ。
「リア」のではなく、己自信の魂で起動してるんだ」


なんとなく理解したジンの表情が明るくなった。


「ユイ、良かったな」


「うん。この子を創り直す事は
本当に怖かった。
もしも考えが外れていたら
失敗したら、この子はもう二度と起動しなくなる。
わずかに生まれた魂を消し去る事になる。

…本当に賭けだったよ。
彼女を生かすも殺すも
僕の手に委ねられていたからね」


「ユイ…」


その時の結斗は

本当に優しい表情でアリアを見つめていた。

それにジンは見入ってしまう。

彼は誰にも負けない程の能力と技術

そして運を持っているのだ…。






「さぁ、行こうか」


三人並んで空港を歩き出した。

窓から見た空の色は、とても白かった。