あれから三日が経った。
ジンはフランスへ帰国する為
結斗はその見送りに空港へ来ていた。
別れ際、彼は言った。
「ユイ、俺医者にナルヨ」
「医者に?」
「ウン。ネクロマンサーとして学んでいた知識は
もしかしたら医学にも役立つかもしれナイ。
人体の事は、誰よりも詳しいはずだヨ。
それに、人の「死」に多く触れたからこそ
多くの人を救いたいと思う気持ちもアルンダ」
「うん。いいと思うよ。
君なら絶対、名医になれる」
「アリガト。俺、頑張るから。
お前も頑張れ、ユイ」
そう言って笑う。
固く握手を交わして
ジンは消えて行った。
そして結斗も家路を辿る。
今までは必ず「二人」で歩くのが
当たり前になっていた道。
これからは一人。
だけど、満ち足りた気分だった。

