清楚で可憐。
無邪気であぶなっかしくて。
だけどそんなとこが放っておけなかった。
いつの間にか
夢中になってた…。
――…
「ィ…ユイ!!」
目を開けたら、覗き込んでいるアリアの瞳と出会った。
「ユイ、少しうなされてたみたいだけど…大丈夫…?」
「ぁ…あぁ…大丈夫だよ…」
半身を起こして、髪を掻きあげる。
額にはにわかに汗が滲んでいる。
夢見が悪かったからか…。
「随分眠ってたみたいだね。
仕事の用件とか入ってなかった?」
「大丈夫よ。
だから今日はもうすっくり休んで?」
「うん…でも今まで寝てたから
すぐには寝れそうにないよ。
ちょっと風に当たってる」
負傷した身体を
ゆっくりとベッドから起き上がらせ
結斗はベランダへと歩く。
瞬く無数の星の中に、大きな満月。
それを結斗はボーっと見つめていた。
声をかけるにも掛けづらい空気。
アリアは心配そうに、結斗の姿を眺めていた。
静かに見下ろす月に問いたい。
僕は…誰かを救う事が出来ているのだろうか…?

