――…
大きな扉を開いたその先は、広い食堂となっていた。
そのテーブルの奥に腰掛けている二人が結斗の両親。
「お帰りなさい、ユイ!
見違えたわ」
「さぁ、こっちに来て座りなさい」
明るく出迎える両親に囲まれ
結斗はにこやかに席に座った。
「あら、そのアンドロイド、ユイが創ったの?」
「うん。綺麗でしょ?」
まるで自分の恋人を紹介しているような
そんな物言いだった。
「アリア・バレンタインです」
人形とは思えない表情、動き。
彼が作ったアンドロイドは
本当に最高傑作と言っていいほどの出来だった。
席に着き、食事をしながら
二年間の溝を埋めるかのように語り合った。
「叶家の後継者がこれほどまでに
優秀に育ってくれて良かったよ」
「はは、まだまだ父さんには適わないよ」
「ユイはこれから叶の名を背負って行くのだから
胸を張っていなさい」
「うん、そのつもりだよ」
「あら、すごい自信じゃない」
とびかう笑い声の中
アリアは結斗の隣の席で
にこにこと微笑んでいた。

