【完】キミは夢想花*



「誰よりも...幸せになって」



「それが約束??」



椿はコクンと首を縦に振った。



「変な約束」



約束ってもっと具体性があるというか...

現実味があるというか...

なんというか、そーゆうものを約束すると思うんだけど。



でも、彼の言葉は現実味があるようでない。

それに具体性もなく、ざっくりとしたもの。



「それがボクの幸せだから」



「分かった」



この約束を断る理由もないし、ましてや私が彼を幸せにするとか言い出したんだ。

了承するしかない。



椿は私に小指を差し出した。



私はそっとその小指に自分の小指を絡める。



「指切りげんまん嘘ついたら、こーろす」



「ははっ。なにそれ、殺すって。普通は針千本のーます!じゃないの?」



「だって、自分の意志とは別に殺されるんだよ?ボクは蓮を殺さなくちゃいけないんだよ?」



「んー...それは嫌かも。てか、椿は殺したら人殺しで捕まっちゃうじゃん」



特に深い意味もなくそう言ったに違いない。

だって、初対面の私に死ぬことを持ち掛ける人だ。



「そうだね。捕まっちゃうかもしれない」



「それは嫌だよ。そもそも、椿にそんなことさせたくないし」



「......じゃあ、蓮が約束守ればいいんだよ」