「私、〝蓮〟って名前好きだよ」 「えっ……」 椿は明らかに驚いた表情を見せた。 「蓮という…素敵な名前をありがとう」 その言葉の意味は、全部知っていることを意味する。 「……こちらこそ、ボクの元に来てくれてありがとう」 私達はお互いに涙を浮かべながら微笑んだ。 椿…好きだよ。 大好きだよ。 愛してるよ── 自分の想いを心の中で椿に向けて発する。 「じゃあ、バイバイ」 「うん、バイバイ」 私達はお互いに背中を向けた。 私は背中を向けた瞬間、涙が止めどなく溢れ続けた。