【完】キミは夢想花*



なんとなく、感じていた。

もう会えないということを。



本来なら、決して関わるはずのない者同士。


今もこうして会っていること自体、奇跡。



「私も、椿に会えてよかったよ」



もう少しで、この時間に終止符が打たれる。



「……」



「……」



「じゃあ…ボクそろそろ行くね」



椿は腰を上げ、私の前に立った。



「椿」



私は、もう会えなくなる前に、これだけは言っておきたかった。



1度深呼吸をすると椿の瞳を真っ直ぐ見つめこう言った。