【完】キミは夢想花*



それから少しの間沈黙が生まれた。



「それ、付けてるんだね」



先に沈黙を破ったのは、椿の方だった。



彼の視線は私の首元を見ていて、すぐにネックレスのことだって分かる。



「うん。私のお守りだから」



それは椿が私にくれた時に言ったこと。



『それはね、蓮を幸福に導いてくれるお守り』



『ボクの代わりに、その石が蓮を守ってくれる』



この言葉を聞いて、嬉しかった半面…代わりってなに?って疑問を抱いたことを今でも覚えている。



「そうだったね」



ねぇ、椿。

私にこのネックレスをくれた時…どんな気持ちだったの?

どんな思いで、〝代わり〟なんて言ったの?