【完】キミは夢想花*



もうこれからずっと、ずっと、椿の側にいられるんだと思った。



「蓮ごめんね」



そう感じた時、突然彼が謝りだした。



「えっ?」



突然すぎる出来事に、無性に心の中がモヤモヤし不安感に襲われる。



「ボク、もう行かないと」



「行くって…どこに?」



さっきまでの幸せに満ちた瞬間は何だったのだろう。

今では怖さしかない。



「遠いところ」



「遠いいって?どこ?」



私の問いに彼は儚く微笑むだけで、何も答えはしない。



「もう、ボクは蓮と会えない」



〝もう会えない〟確かに椿は言った。



「嘘…だよね?」



ただただ彼の言葉を信じたくない。