*** 「ん…蓮…」 聞き覚えのある、優しい声に呼び止められた。 私は後ろを振り向く。 「椿!!」 案の定私の名前を呼んだのは椿。 私の目の前にいる椿は、あの頃からちっとも変わらない笑顔を見せた。 「おいで」 そう言うと、椿は両手いっぱいに手を広げた。 私は嬉しく、涙を浮かべながら椿の元に走る。 椿の元にたどり着くと、彼は優しく私を抱きしめてくれた。 「ずっと…こうしたかった」 「私も…」 私達はお互いに強く抱きしめ合う。 幸せだと思った。