「え~っ!帰っちゃったの?」

「うん」

「良くわかんねぇけど、それで大丈夫なのか?」

「さぁ...」

「さぁって、いつものメイちゃんらしくないよ。
先生と話さずに帰っちゃうなんて」

「だって、わけわかんないんだもん」

「とりあえず、磐座っちがどう出てくるかだな」


一日中、磐座先生は私にいたって明るく普通に接してきた。

瞬く間に女子生徒たちの心をわしづかみにした磐座先生の周りにはいつもハートが飛び散っている。
それだけではない。
休憩時間には男子生徒とバスケやサッカーをし、スポーツも万能なその姿はまるでドラマのワンシーンのようだった。

「磐座先生が担任でうらやましいわ~」

当然、私たちのクラスは皆の羨望の的だった。
悪い気はしない。
超絶イケメンなのに越したことはない。
が、なんかこう...ひっかかる。


放課後までは、そうだった。

「山田、お母さんいらしてるぞ。
すぐ理事長室に来なさい」


青天の霹靂。

ん??理事長室??