きみを見ていた

食事を終え、私たち三人が食堂から出ると、
校門から真っ赤なオープンカーが校内に入ってきた。

磐座っちだ。

「夏はオープンカーだろ」

と、夏休みに入ると自転車ではなくマイカー通勤を始めた彼。

にしても、真っ赤って。オープンカーって。

嫌味なほど似合ってる。

サングラスを外しながら車から降りてくる姿など、そこいらの俳優は目じゃないほど様になってる


スタイル良し。
顔良し。
愛想良し。
そんなわけでこの人、とにかく目立つ。


学校中の女子(生徒、教師、事務員、学食のおばちゃん、父兄等々含む)のハートを著しくつかんでいるのは否定しない



私をのぞいてはね。

あ、やばっ。目が合った


「こら!山田!飯食ったらさっさとジャージ着替えろ!

13時から発声するかんな、準備しとけよ!

その後、今日はおまえの個人レッスンすっから覚悟しとけよ、いいな!


よう、真里菜、勇太!

それ終ったらオケ行くからいつも通り頼むな

おっと、勇太は今日からだったな

打楽器のCにちゃんと言ってあるから、どの曲でどの楽器で入るか指示うけろよ

期待してるぞ!」


「わかったよ!先生!」

「はい、先生!」


「うん。じゃあ、あとでな!

山田はボーっとしてないで、さっさと練習準備にかかれよ!」


磐座っちが通り過ぎるところ、運動部の女子たちがざわめく。

真里菜ちゃんも、勇太も笑顔。

私は一人、相変わらずの磐座っちにへの字口

なんで、私にだけあの態度なのさ。

あっかんべー!