きみを見ていた

「ん・・・まぁまぁってとこかしらね~」

一学期の成績表をまじまじと見ながらママが言う。

「ほら、毎回科目ごとの小テストの成績が良かったものだから期待しちゃったんだけど。

でも、クラスでは中くらいの成績だから、良しとしましょうかね~」

ホッ。

ママ、実は私はこの成績取れたの奇跡だと思ってるのよ!

だって、毎回ズルで小テストは点が良かっただけに、慌てて勉強するようになって、やっとこさこの成績だもん!

磐座っちは口ばっかで、ぜ~んぜん勉強見てくれないし!

それでいて家庭教師のバイト料もらってんだからズーズーしいったらないわ!

まぁでも、新しい家庭教師の先生が来たら来たで、勉強漬けの毎日が再びスタートするのかと思うと、今となってはそれもなんだし。

あ~!!磐座っちのペースに嵌ってるーー!

明日から夏休み。

って言っても、あ、いたたっ!うう、筋肉痛。

あのオーディションで瀬戸先輩とデュエットが決まったけど、翌日からはミュージカル部と合同でダンスから演技のレッスンまで受けさせられてるってどういうことよ!

でも・・やってみるとダンスも演技も初めてで大変なんだけど、正直楽しい。

歌って踊るのって、好きなのよね、やっぱり。

ママにさえバレなければ、ね。

あ~、夏休み。

夏期講習に部活に・・忙しくなりそう~。