きみを見ていた

まるで、霞(かすみ)の晴れるような声。

あれ?この歌声、あ!


・・彼女だったのね。




瀬戸君にも驚かされる。

この2年間、すごく努力したんだね。

歌う姿勢、呼吸、音の位置・・守ろうと努力してるのがわかる。

それってすごく大切な事なんだよね。

その積み重ねで歌は伸びて行くから。

低い声も高い声も、まんべんなく出てる。



それにしても、彼女・・

なんて耳に心地良い声なのかしら。

低音はまるでビロード。
なんて潤いと光沢。

あ、クライマックスの高音!!
なんてこと!どこまでも艶やかに空間中に響き渡ってる・・


全身に鳥肌が立ってるのがわかる。

そして、
頬に流れる涙をふく気力もないくらい、
今、私は感動している。