さよならの前に。

夜は街の景色がうちのベランダからも観れる。


「綺麗…だな。」


静かにつぶやいた玲に私もうなづく。


「どうして留学の道選んだんだ?別に留学しなくても勉強はできるだろ。」


私の顔を見ずに言う玲の声は少し震えていた。


「昔から留学は夢だったの。パティシエになることも。」


半分本当で半分嘘をついた。


パティシエが将来の夢だったのは本当だった。


でも留学は少しでも佑との距離を開けたかったから。


私の想いは言ってはいけない。伝えてはいけないのだと修学旅行で悟ったから。


もう迷ってはいけない。


「そうか。じゃあしょーがねーな。頑張れよ!必ず遊ぶしあうし電話もするからよ!」


そう言って笑う玲に私は言った。