さよならの前に。

少し横目で見ると松竹梅くんが焦っていたが関わりたくないので気づかないふりをする。


「西園寺さん悪いんだけど教科書見せてくれない?」


私にそっとお願いした彼に私は言葉を言わずに差し出した。


そして肩を叩かれ振り向くと彼は口パクで言った。


「ありがとう!」


その笑顔が嫌なほど眩しくて私は別に体調も悪くないのに先生を呼び言った。



「体調が悪いので保健室に行ってきます。」


そういって授業を抜け出した。