さよならの前に。

昼休みが終わり教室へ戻るとクラスメイトの視線が痛かった。


また前の学校の時見たくなったらどうしよう。


「おいおい!松竹梅席交換してやろうか?」


「いや。俺はここでいいや笑」


男子たちは後ろの席になりたいがために松竹梅くんと楽しそうに話している。


授業が始まる。


「あ。やべっ。西園寺さん教科書見せてくれない?」


片目でウィンクしながらお願いする彼に私は何も言わず教科書を差し出した。


ありがとう


口ぱくでそういった彼の目には申し訳なさがあった。