さよならの前に。

自分の部屋の沈黙を消すように携帯に耳を傾けてその声を拾う。


「久しぶり。松竹梅くんじゃなくて佑くんって呼ばせて?この電話を佑くんが聞いている頃私はもう留学先のフランスへと向かっています。直接会えなくて残念だったね。でも最後に一言だけ言わせて?楽しかったよ!ありがとう。そしてさようなら。」


愛しい人の声。少し声が震えている美蘭はさようならと言って電話を切った。


留守電ということは昨日に入ってたことになる。


行かないと後悔する気がして…。


気づけば体が勝手に動いていた。