*************** 月が隠れ空がうっすらと色付き出した頃、彼女と別れた。 二人、最後まで自分の名を名乗らず。 「私を助けてくれた恩人さん、元気でね。」 俺の名前を知らない彼女は、俺をそう呼んだ。 「あー、俺に助けられた幸運な奴、お前も元気でな。」 彼女の名前を知らない俺は、彼女をそう呼んだ。