青年と遊女 ~再会~

「そっちこそ。」

「忘れるわけないじゃない。助けてくれた恩人なんだから。」

「お前意外と律儀なんだな。」

「意外とって何よ。そんなこと言ったら、恩人さんこそなんで私のこと覚えてたの?」

「忘れるわけないだろ。あの日は誕生日だっただのなんだの、記憶に残ること言われたら。」

「あー、そっか。それで…」

彼女はどこか残念そうに微笑んだ。

「じゃあさ、また記憶に残ること言おっかな。」

「?」

「この町で過ごす最後の夜に、あなたとまた会えて良かった。」

「最後?」

「私、明小屋に売られたの。」