あの非常階段をのぼったら、君に好きだと伝えよう。

そして、私の目の前に来て立ち止まる。




「海月。」




「っ!!!!!」



優しく呟くように私の名前を呼ぶ。



まわりの男子より声は高い。かといって、低いともいえないちょうど真ん中くらいの聞きやすい声。




でも、何でだろう。何だかとても落ち着く声…。




どこかで聞いたことのあるような、綺麗な芯の通った知らないとは言い切れない…。


その声はしっかりと私の耳に届いた。



私は、恐る恐る顔をあげる。