裏切り裏切られ



「ユヅキ、新しい友達の晴美ちゃん」


ユヅキちゃんはゆっくりとこちらを見て、控えめに頭を下げた。


私はユヅキちゃんによく思われてないみたいだ。


少しだけ胸がチクリと傷んだ。


それでも大丈夫だったのは、チャンスがあったから。


ユヅキちゃんと笑心ちゃんは2人でどこかへ行ってしまい、取り残されたという事実に直面することになってしまった。


最初も取り繕うことの出来ない私は無力という言葉が似合う。


高校は1人で寂しい思いをすることになると考えたら、目頭に行き場のない怒りが溜まってきた。


「あの.....」