あれ?あれれ、ない!


次の授業の教科書がなかった。


どうやら忘れたらしい。


あーあ、ツイてない。


最近はいいことないな……。



隣のクラスに借りに行く時間などなかった。


「ごめん、教科書…一緒に見せてもらえる?」


隣の席の小枝くんに頼んだ。


「おう!これ、知ってるか?」


小枝くんは男子の中で結構仲のいい人。


小枝くんも七南果ちゃんと同様、なにかと心配してくれる。


「…この前発売された限定ストラップ?」


私が元気なさげに聞いた。


「そうそう!」


「え?これって、どこ探しても売り切れてるっていう幻のストラップじゃん!」


七南果ちゃんが会話に入ってきた。


「2個、買ってきたから西崎にやるよ」



突然、小枝くんが私にストラップをあげるって……ど、どういうこと?