「……史哉、さん」



甘えん坊みたいに史哉さんの袖を引っ張った。


触れた指先がとてもドキドキした。


……でも、もうそんなこと思ってられない。



わたし、……私、ね?


やっと、気づいたのに…………。



決めたよ。


これ以上史哉さんの重荷になるわけにはいかない。



史哉さん、愛実さんといた方がずっとずっといいよ。


こんな別れ方したくないけど……



ううん、史哉さんと愛実さんのためにしなくちゃなんだよ。



ねぇ、史哉さん。



好き、だったよ……想い、伝えたかったな…