瞳の睨むような目つきに、私は俯くことしか出来なかった。
「だって……どうしようもない。私には、魁の恋愛を邪魔する権利なんてないし、明菜に勝てる自信もない。それに明菜も魁のことが好きなら、付き合うのも時間の問題じゃない?」
どちらかが気持ちを打ち明けたら、実る恋。
初めから、失恋と決まっている恋愛。
今更、どう頑張れって言うの?
私には何も出来ない。
無理にでも笑顔で祝福することしか……。
「本当に、それでいいと思ってんの?」
瞳……怒ってるよね。
きっとみんなそうだ。あれだけ私のこと応援してくれてるのに……。
何も言わずにいると、急に強く両肩を押さえつけられた。
「っ‼」
壁にぶつかる私の背中。
驚いて目を開けると、そこには瞳が今にも泣きそうな顔で私を見ていた。
「その程度の気持ちだったの……?」
「え……」
「桜綾が魁くんに対する気持ちは……それだけの気持ちだったの?」



