「もしかして、魁に聞いた?」
「そう。すっごく心配したし、魁もしてたわよ」
魁と同じ授業だから、覚悟はしてたんだけどね。
「どうしたの?何かあった?」
「ん。別に何でもないんだけどね……」
視線を運ぶと、明菜は自分の席について楽しそうに喋っていた。
二重人格か、あいつは。
「何でもないのに泣くバカがどこにいんのよ」
「ごめんなさい……ありました」
素直に謝る私。
彩葉たちに嘘が通じるはずないか。
「明菜ちゃん‼」
すると後ろで、また彼女を呼ぶ魁の声。
「あ、魁くんっ」
笑顔で駆け寄る明菜を見ていると、ふいに私と目が合う。
その時、明菜はフッと笑みを浮かべて私を嘲笑うかのように見た。
ほんの一瞬だけ本性が現れたけれど、それは私しか気付いていない。
まるで……魁は私のものだと言わんばかりの、不気味な笑顔だった。



