普通のことかもしれないけど、私にとっては普通じゃない。
その言葉が、どれだけ私を苦しめるか……
完全に落ち着きを取り戻した私は、その場を立ち上がった。
「本当に何でもないよ。ありがとう」
きっと魁にとってその言葉にはなんの意味もない。ここで泣いていたのが私じゃなくたって、魁は声をかけたはずだ。
それなのに嬉しいって思っている自分と、現実を言い聞かす自分が、頭の中でぶつかり合ってる。
「ならいいけどよ……。何かあったらいつでも言えよ」
「うん……」
その優しさは、私だけに向けられない。
ほとんどが明菜に注がれていると思うと、どれだけ胸が苦しくなるかわからない。
私だけを、見てくれたらいいのに……
「さてと……。あ、トイレ行かないの?」
「あー‼お前のせいで忘れてたじゃねぇかよ‼早く戻んねぇと先生に怒られる‼」
先生に怒られるって……
まぁ、授業中にトイレ行くんなら当たり前か。



