考えてるのはあなたのこと。

ボーっとしてるのは、魁のせいなのに。



「あっそ、ならいいけどよ」



ぶっきらぼうに、そう言う魁。



こういう時に、心から笑うことができる日はいつ来るんだろう？


こうやって言い合いするような仲で、いつあなたは私をちゃんと見てくれるだろう？



あなたの気持ちを知っている以上、嬉しくても素直に喜べないよ……



「ありがとう……じゃあね」



強がってしまう。

意地を張ってしまう。


叶わない恋だとわかっているなら、尚更あなたにこの気持ちを知ってほしくない。



知ってほしくないけど、少しだけ気付いてほしい。



ワガママだって、矛盾してるってわかってる。



だけどあなたは優しいから、私はまた涙を堪えなくちゃいけない。




「おぉ…」



魁の返事を聞いた瞬間、私はそのまま走って魁の隣を通り過ぎた。


思いは強くなるばかり。

あなたの目が、違う人を映していても。





ねぇ魁。

私は、いつかあなたにこの気持ちを言える時が来るかな。


“NO”という答えを聞く勇気は、いつか持てるかな。



いつまでも勇気は持てないかもしれない。



でもいつかは……私の気持ち知ってほしい。



まだいいけれど、きっとこの先いつか――……



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