好きが涙に変わって溢れてく。


明菜との関係も日に日に微妙になってきた。


喋りかけられたら返すし態度はいつもと同じようにして接してるけど、極力私が明菜のことを避けている。


私からも話かけたりしない。


明菜が何も悪くないことをわかっているからこそ、無闇に言葉を交わして嫌な思いをさせたくなかったから。





「ねぇ、最近魁くんとどぉ?」


明菜と唯一同じの音楽の時間。

明菜が私に話かけてきた。



「ぜーんぜん。いつもと一緒」


ため息を吐きながら私が呟く。



「そっか……でも頑張ってね‼」


「ありがとう明菜」



明菜は優しい。いつも気を遣って話かけてきてくれる。


喋ってるといい子って言ってた魁の言葉は、私にもわかる。



好きな人に、例え好意を抱かれていなくても、嬉しい言葉や優しい言葉をかけられるだけでもっともっとその人の事が好きになる。



だから明菜が魁と喋ってた時、“魁くんのこと信用してるから”なんて言われたら、もっと魁は明菜を好きになったに違いない。