「嘘かよ‼」



おいっ、と手のツッコミが出そうなほど魁の反応がよくて、更に私は笑ってしまった。



「まぁでも――……」


「ん?」



何か言いかけたのに、私と目があった瞬間『何でもない』といって魁はまた前を向く。



「あ~ずるい‼何て言おうとしたの?」


「え……?だから……」


「何々?」



気になって前まで回って思いっきり魁の顔を覗き込むと、今度は魁がプッと噴き出す。



「ちょっと~‼」


「ゴメンゴメン。別に仕返しとかそういう意味じゃなくて」



腹を押さえて堪えると、魁はニッコリと微笑んで私の頭を優しく撫でた。



「やっぱお前といる時が1番楽しいよ。すっげぇ落ち着く」



その顔に私はノックアウト寸前。


微笑みはずるい……



ボッと顔が赤くなる私に魁は更にクスクスと笑う。



「そういう所、可愛いよ」


「はぁ!?」



大声を出せずにはいられない。


魁に可愛いなんて言われたの初めてだ……



「もう……冗談はやめてよっ」



魁の隣に並んで再び歩き出す。


赤い頬を隠すように。



「マジだって。……何照れてんだよ」


「べ、別に照れてないもん‼」



照れてるの丸わかりなんだけどね……


また私素直じゃないなぁ。




その時、魁にギュッと手を握りしめられた。





「ホントに、好きだからな」





手を引き寄せて耳元でそっと囁かれ、振り返ると魁は優しく微笑んでいる。


改めて“好き”って言葉を聞くと、実感が湧くんだよね。


これには何も言えなくて、恥ずかしいからずっと俯いていたら。




「やっぱり照れてんじゃねぇかよーっ!おもしれーっ」



ゲラゲラ笑う魁。


もしかして今の……意味なかったり?



これには私もピキッときた。




「あんたねぇ~~」


「うぉっ!?お、怒るなって……嘘じゃねぇしっ」