「私が用があるのはあんただからね。あんたのこと大っ嫌いなの。言わなくてもわかってるでしょう?」
優しい口調だけれど、髪を掴む力はどんどん強くなっていく。
明菜は上を向いて彼らに何かを合図すると、鉄パイプがゆっくりと上に動いた。
「だからあんたもこいつと同じようなことしてあげる。優しいでしょ?2人一緒にしてあげるんだから」
「っ!?」
それがどういう意味なのかわかった。女だからとか、そんなのこいつらには関係ないこと。
本気で、するつもりだ……
「可哀想になぁ。自分がこんな目に合うなんて。だけど恨むなら自分の運命を恨むんだな。まぁ、運が悪かっただけさ」
明菜が乱暴に手を離し、数歩後ろへ下がった。
私はギュッと魁の体を抱きしめる。
運が悪かっただけ?
それでもしこの命が終わるとするなら、そんなくだらない理由だけで終わりたくない。
全部私のせいだ。
私のせいで魁がこんなにボロボロになったんだ。
悪いのは全て私。
だからその罪を背負うのは私だけでいい。
魁は死なせない。絶対に。
この命に代えても、魁をこれ以上傷つけさせない。
大きく振りかざされるパイプ。
私は逃げようともせずに、ただじっと前を見つめている。
「じゃあね~」
ゆっくりと、1秒1秒がはっきりと感じた。
――魁。
大丈夫だからね。
私が変わりに、全部受けるから。
覚悟をして、目を瞑った時だった。
「……!?」



