好きが涙に変わって溢れてく。


「――そう。そこなのね……わかった」


「あ、桜綾‼」



場所を聞いて駆け出そうとする私の腕を掴まれる。

2人は、深く、深く、頭を下げた。



「ごめんなさい……。今まで本当にごめんなさい」



だけど私は、振り向かなかった。



「許すつもりはないよ。2人のこと」



あの出来事は、私の心の中に一生の傷として残るから……



「でも……」



だけど、本音は。



「わかってくれてよかった。それだけよ」



そう言ってすぐに私は走り出した。


今は話合っている場合じゃない。


















長い道のりを走って、草村が生えた狭い道の奥に私はいた。


古いけれど大きな建物。

この中に魁がいる。



分厚い壁と扉のせいか中の音はまったく聞こえない。


迷うことなく、私は錆びた扉に手をかけた。



「――――……」



ギィ、という鈍い音と共に開いた扉。


ゆっくりと中の光景が映っていく。


そして。



「っ!?」



そこに映し出された光景は、言葉を失う程だった。





ボロボロになりながらも、立っているのは男4人。


その手に持たれた木の棒や鉄パイプ。


それらの先端はびっしりと赤く染まっていた。



まさかあの血……



視線を奥へと辿っていくと、1人横たわっている姿が目に入る。




「魁‼」



傷だらけで、所々血を流している魁の姿だ。



私の叫び声に、誰もがこちらに振り返った。



「おっ、来たぜ来たぜ」


「なんだぁ?お前も一緒に殺られにきたのか?こいつみたいにな」



笑いながら、鉄パイプをうつ伏せになっている魁の頭に擦り付ける。




「っ!やめて……‼」