「何でも言って」
再び、私の体は尊琉君の腕に包まれる。
強く抱き締め肩に顎を乗せて、尊琉君は耳元で言った。
「ずっと、大好きだった」
「うん」
「桜綾ちゃん以外考えられないくらい、大好きだった」
「うん……っ」
そんなこと言われたら、私堪えきれないよ……
「今までありがとう。俺と付き合ってくれて」
涙で言葉が詰まって、私は何度も何度も首を横に振る。
「すっげぇ幸せだったよ」
それは全て、私が尊琉君に伝えたいくらいで……
「ずっと応援してるから。桜綾ちゃんのこと」
嗚咽が止まらなくて、応えるように私はぎゅっと尊琉君を抱きしめ返した。
「絶対に幸せになれよ、何があっても。またあの頃の桜綾ちゃんの笑顔が見れること、信じてるからな」
「っ、うん……っ」
もうこれで私と尊琉君の関係は終わっちゃう。なのに私は“うん”しか言ってないじゃん。
最後なんだから、ちゃんと伝えなくちゃ。私が想ってること全部。
尊琉君からそっと離れて、私は尊琉君の両手を握り締める。
「私も幸せだった、嘘じゃない。尊琉君には本当に感謝してる。ありがとう……」
尊琉君の目を見て、視界がぼやけても絶対にそらさなかった。
「忘れないよ、絶対に。今までのこと全部、忘れない」
私の大切な宝物だから。
尊琉君を好きになったのも付き合ったのも、全部。
「尊琉君も、絶対に幸せになってね」
そう言って手を離すと、尊琉君の目から一筋の涙が流れた。
「ありがとう、桜綾ちゃん」
尊琉君ならきっと幸せになれるよ。
私が保証する。
本当に、ありがとう――……



