私も嬉しいって、本気でそう思ってた。
尊琉君の笑顔を見ることが、幸せだと思えたから。
「だから俺、浮かれてて何も考えてなかった。自分のことしか考えてなかったんだ」
そこまで言うと、尊琉君はようやく私の体を離した。
尊琉君の目には確かに涙の後が残っている。
きっとそれを隠す為に、私をずっと抱きしめててくれたんだと思う。
「ゴメンな。俺ずっと、桜綾ちゃんの気持ち無視してて。邪魔しないって言ったのにな……」
「そんなことない‼だって私嘘じゃなかったよ!?尊琉君のこと本気で必要だって思った。尊琉君に惹かれてたのは確かなの……っ」
じゃなきゃあなたの気持ちに応えたりしない。
そんな酷いこと私には出来ないから。
「でも本当は俺よりもずっと、あいつの方が気になってるだろ?」
「え?」
「俺よりもずっと、あいつのことが好きなんだろ……?」
「な、何で……」
「だってそうじゃきゃ、あいつの為に泣いたりしねぇだろ……」
泣いたり……?
胸騒ぎを覚えながら尊琉君を見つめていると、今度は優しく微笑んだ。
「ゴメン、嘘ついてた。本当は昨日いたんだ、すぐ近くに」
お兄ちゃんが言ってた人
やっぱり合ってたってこと?
「それに本当は、俺がもう1度告白する前からずっと、桜綾ちゃんとあいつが両想いだってことも何となくわかってた」
ピクッと体が反応した。
尊琉君が、私に告白する前から?
魁が私を好きだったことわかってたの……?
「見ててすぐにわかったよ。その時から焦ってた。桜綾ちゃんをとられるんじゃないかって。今更渡したくなくて、常に桜綾ちゃんの所に俺行ってたから」
そういえばそうだ。
感づいたことは何度かあった。
魁の気持ちなんて私には全然わからなかったのに……



