沸々と怒りがこみ上げてきているのか、彩葉の声が段々と低く変わっていく。
「とにかくまだどうなるかわからないんだから、桜綾も諦めちゃダメよ!?」
「……うん、ここまで来て諦めたくない」
初めからそんなつもりなかった。
私が魁を諦めるなんて、ありえないもん。
だけどこれから私は魁にどうやって接してけばいいんだろう……
いつも通りにしてたって、友達から変わらないのは嫌だ。
「ねぇ、私魁にいつも通り接するべきなのかな？でも、魁の顔見たらそんな風に出来ないかもしれない。いきなり明菜が好きだなんて言われたし、なのに笑っておはようなんて言えないよ……」
ちゃんと１人の女として、私を見てほしいのに。
友達じゃ嫌だ。
「無理はしちゃダメだと思う。とりあえず桜綾は桜綾らしくいなきゃ。まだ魁くんが明菜と付き合うって決まった訳じゃない。桜綾にも十分可能性はある」
瞳がそう言うと、２人も何度も頷いている。
「うん……頑張ってみる」
