「じゃあ今度は俺が借りていい?」
「うん。どうぞ」
尊琉君がいなくなると同時に、私の視線は外へ。
カーテンを開けると、曇ってきたこともあるのか、うっすらと暗くなってきているような気もする。
魁……
不安で胸が押し潰されそうだ。
尊琉君がいるのにやっぱり状況が状況だし、魁の安否が気になる。
今どこにいるの?
無事なの?
私のせいで、何かあったらどうしよう……
窓の外を見つめて、そればかり考えている時だった。
「――ねぇ、桜綾ちゃん」
静かだったのに、突然後ろから声が聞こえて勢いよく振り返る。
いつ戻ってきたんだろう。
物音1つしなかった。
「あ、早かったねっ‼」
私をじっと見つめたまま、どこか寂しそうに笑ってる尊琉君。
カーテンを閉めて歩み寄ろうとすると、尊琉君は静かに首を横に振った。
「嘘だよ、トイレ」
足が止まる。
嘘?
尊琉君は再び私を見ると、今度は笑顔で口にした。
「別れようか……俺たち」



