好きが涙に変わって溢れてく。


全く悪いって思ってるようには聞こえないけどね。



「で、何?」


「今日どっか出かける?」


「は?」



いきなり何なの?


明らかに不自然なんですけど、その質問。



「意味わかんないんだけど。誰と?
まさか……お兄ちゃんとじゃないよね?」



私は背中を向けたまま返す。



「バーカ、なんで俺となんだよ。彼氏と」


「あぁ、尊琉君か――……」



あれ?

今彼氏って言った……?



「っ……、何で知ってんの!?」



ガバッと起き上がって私は振り向いてしまった。



「あ……」



もちろんそのせいで腫れた瞼を思いっきりお兄ちゃんに晒してしまった。


これじゃあ何のために隠してたのかわかんない。



「どうしたんだよ、その目」


「え?泣いたの‼それしかないでしょ‼」



ムキになって半分逆ギレ。


もういいや、何言われても。



「何だぁ?ケンカでもしたのかぁ?」


「あぁもうそうですっ‼わかったら早く出てってよっ」



相当見苦しい顔になっているのか、お兄ちゃんは笑いを堪えているように見えた。


益々ムカついてくる。



「もうっ‼出てってば‼」



一向に動こうとしないから枕を思いっきりお兄ちゃんに投げた。


それをいとも簡単によけて拾っている。




「ゴメンゴメン。でもさ、そいつずっと家の前にいたぞ?お前に謝りたかったんじゃねぇの?」



枕をポンポン、とボールのように操る兄。



「家の前にいた……?」



魁のこと?



「家の前っつうか、家の近くにいて、ずっと見てたからさ。見たのは丁度桜綾が家に入ってくとこだったけど」



私が家に入ってく時?

だったら違う。魁じゃない。



どういう意味だろう。

尊琉君とケンカなんて本当はしてないのに……