朝目が覚めて、一目散に洗面所へ向かった。
「やっぱ腫れてるか……」
予感はしていたが、鏡に映る自分は重いくらいに瞼が腫れている。
昨日すっごい泣いたもんなぁ……
でもこんな顔じゃ尊琉君に会えない。
私はすぐに氷水で瞼を冷やした。
尊琉君が家に来るのは昼頃だし、まだ時間はある。
何としてでもいつもの目に戻さないと。
再びベッドに横になって、目を瞑る。
寝返りをうちながら腫れが引いていくのをじっと待っていると、ふと目に入ったものがあった。
あ……
自然と手が、それに伸びる。
「懐かしいな……」
ピンク色をした可愛らしいぬいぐるみ。
魁にもらったあのコブタのぬいぐるみだ。
嬉しくてここに飾ってたんだよねー
あの時は毎日眺めてたなぁ……。
その度に魁を思い出してたんだよね。
当時の出来事が蘇ってきて、思わず笑みがこぼれた。
……楽しかったなぁ、遊園地。
もうあの4人で行くことはないだろうけど。
余計なことを考えてしまわぬように
泣かないように
私はそのぬいぐるみを引き出しにしまった。
あるのは尊琉君にゲームセンターでもらったぬいぐるみだけ。
机にあったのをベッドまで運んだ。
これで大丈夫。
勢いよくベッドに倒れ込んで、しばらく冷やしているとノックが聞こえた。
「桜綾、起きてるか?」
うわ。お兄ちゃんだ。
また何か言われるっ。
私が返事をする前にドアが開いて、慌てて背を向けるように寝返りを打った。
「まだ何も言ってないんだから勝手に開けないでよっ‼」
「あぁ、悪い悪い」



