けじめ……?
「絶対に、お前のことを守る。何があっても」
「……魁?」
はっきり言ってほしかった。
ちゃんとした理由が知りたかった。
私には聞けないことだけど……その時の魁の抱きしめる腕が、必死に何かを語っているような気がしたから。
「好きだよ。だから、絶対に幸せになれ」
メッセージを残していくかのように言うだけ言った魁は、私の体を引き離してまた笑った。
「悪かったな、いきなりで。じゃあな」
そのまま去っていこうとする魁の背中が、どんどん離れていくと思うと、悲しくて苦しい。
「魁っ‼」
私にはこれからもずっと
本音を言う資格すらないでしょう。
これが、私に与えられた運命だから
振り向いて、笑顔で私に手を振ってくれる魁。
そして再び歩き出した彼は、二度と振り向くことはなかった
「……魁」
立っていることも出来なくて、私は地面に膝をついた。
アスファルトに滴り落ちる涙が、吸い込まれていくように消える。
どうしてこんなにも涙が溢れるんだろう。
もうあなたに会えない気がして、離れていくことがこんなに辛いなんて。
ねぇ魁……私たち、もう少し早ければこんなことにらならなかったよね。
私が素直にあなたに“好き”と伝えていたら、結果は違ったのかな?
いつだって私の気持ちは、あなただけに向けられていたのにね。
少し遅かったんだ。
気持ちを理解しあうタイミングが、少しズレちゃったんだよね。
私は尊琉君とこれからも一緒にいて、魁は別の女の子と一緒にいるのかな?
隣にいるのは私じゃない。
どうして、こんな気持ちになるのかわかんないよ……
スマホのランプがチカチカと光っているのが見えた。
尊琉君からのメールで
【明日会おう】
とだけ打たれている。
私はそのメールに【うん】とだけ返信して、家に入った。



