彩葉が大きく目を見開きながら私を見る。
私は1度だけ首を縦に振った。
「なら、大丈夫じゃないの?明菜も協力するって言ったんでしょ?」
「うん。それに相談にも乗るって……」
「いや、もしかしたら危ないかも」
瞳が険しい顔付きで口を挟む。
「正直、明菜って男に関してはあんまり性格よくないの。自分がモテてることに気付いてるから、友達の好きな人を好きになったりする時も結構ある。ただそれは、相手に好意を抱かれてるってわかった時だけだけどね。その瞬間にいつもアタックし始めるタイプだから」
「うそ……」
そういえば、瞳は明菜と仲がいいんだ。
だから瞳の言ってることはほぼ間違いない。
私の顔が一気に青ざめていく。
「でも、何て言うんだろう……明菜はそう仕向けるのが凄く上手なの。だから女は気付かない場合が多いし。表面には分かるように出してないから、私も言おうにも言えなくて、いつも男が告白するから責めるにも責められない。ただ明菜はすごく一途だから、なかなか別れを切り出したりはしない。だから彼氏がいる内は大丈夫だと思うけど、今の危ない状態を考えると、もし魁くんの気持ちに明菜が気付いたら、明菜は魁くんの方へ行くかもしれない……」
「明菜ってそんな子なの?」
「うん……私が今まで見ている限りではね」



