何を言ってるの私。
尊琉君の気持ち知っててこんなこと言うなんて……
弱い自分。
1人が嫌だからって、尊琉君に縋るなんて最低なことなのに。
頭の中はそれよりも、恐怖の方が勝っていた。
「ここにいて……」
そっと私の体を離すと、尊琉君は驚いた瞳を私に向けている。
「お願い……尊琉君」
見上げて涙をそっと親指で拭き取ると、私の頬を包み込むように触れる尊琉君。
「どこにもいかない。ずっと、俺は桜綾ちゃんの側にいるから」
再び抱き締められて、私は尊琉君の胸に顔を埋めた。
最低なことかもしれない。
だけど私が今望んでいるのは、目の前にいてこうやって抱きしめてくれている彼の温もり。
他の誰でもなく、尊琉君の温もり。
私には、尊琉君が必要なんだ……
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「…………」
朝か……。
重い体を起こして、横を見る。
もちろん、そこに尊琉君の姿はなかったけれど、昨日尊琉君はずっと私の側にいてくれたから。
『桜綾ちゃんが寝るまでずっとここにいる』
そう言って、ベッドで横になった私の手をずっと握っていてくれた。
きっと私が眠ったのを確認して、尊琉君は帰っていったんだと思う。
姿がなくても、尊琉君の温もりが確かにあったんだと思うと凄く心が落ち着く。
新しいカッターシャツを着て、解れたボタンをちゃんと留めたブレザーを着て、誰にも気付かれることはなかった。
「じゃあ行ってきます」
「気をつけてね」



