顔を覗き込む尊琉君は、驚いた顔をしている。
「……1人に、なりたくないよ……」
1人になったら思い出すし、今は孤独を味わいたくない。
誰かに側にいてほしかった。
でも……
こんなことで、尊琉君に頼っちゃダメだよね。
「なーんちゃって、ウソウソ。送ってくれてありがとう。それじゃあまた明日……」
手を離して家に向かって足を踏み出した時。
それを引き止めるように、尊琉君が私の手を掴んだ。
「俺も……まだ離したくない」
「え……」
真剣な瞳。吸い込まれそうになる。
「……って言ったら、まだ一緒にいてくれる?」
何だ……。
パッと明るくなった尊琉君を見て、面白く思った私も笑ってしまった。
「……うんっ。でもどうしよう」
「その辺でも歩く?」
「寒くない?」
自分から一緒にいたいって言ったくせに、何言ってるのよ、私。
でも外は本当に寒い。夜だからもっと寒かった。
「あ……じゃあ、家上がってく?」
怖ず怖ずと指をさすと、尊琉君も少し躊躇っているようだ。
「いいのか?」
「うん。今は誰もいないし」
お母さんは出掛けてるし、お父さんはまだ仕事から帰ってきてないし、お兄ちゃんは友達の家だし。
変な意味とか全然ないんだけど、それくらい尊琉君もわかってくれてるよね。
「じゃあ、少しだけ」
家に男の人を入れるなんて生まれて初めてだ。それに自分から誘ったのも。
「部屋汚いけど、気にしないでね……っ」
こんなことになるなら掃除くらいしておけばよかった……



