彼女の後ろに隠れるようにしている明菜は、顔を覆って泣き出している。
それがまた、彼女の怒りを倍増させた。
「ほんっとに最低だな!ずっと耐えてきたけどもう限界。絶対許さない」
また涙に惑わされてる。きっと明菜は今笑ってるに違いない。
「また泣くの?1人じゃ何も出来ないの?そんなはずないでしょ、あんたの頭の中は常に汚い考えでいっぱいなのに」
胸倉を掴まれている手を退かして、明菜に声をぶつける。
「何でも泣いたらいいなんて考え捨てたら?あんたは間違ってる!そうやって人を利用する前に自分で戦いなさいよ‼」
「何言ってんだよてめー‼」
「離してっ‼」
再びつかみかかる2人を振り払って私は明菜に近付く。
「そんなことばっかりしてたら、あんたいつか絶対友達なくすよ!?何でも自分の思い通りにいくと思ったら大間違いなんだからっ‼」
「く……っ、この女っ」
暴れ回る私を見て、ついに男たちが私の腕を掴んだ。
さすがに男の力にはかなわない。
「明菜っ‼聞いてるの!?」
ずっと顔を手で覆って泣いていた明菜の肩が、ピタリと止まる。
しばらくしてゆっくりと顔を上げた明菜の目は、本当の彼女自身のあの冷たい瞳だ。
「……うるさいなぁ」
しん、と一瞬でその場が静まり返る。
まさか……明菜?
両手が塞がっている私に近付くと、明菜は思いきり私の頬に平手を打った。
バシン、と大きな音が鳴り響き、ぐっと胸倉を鷲掴みする。
「ムカつくのよ。あんたのそういう所。消えちゃえば?」
低く言い放つと、明菜はそのまま胸倉を強く引っ張りあげて、ブレザーのボタンを無理矢理引きちぎった。
「っ!!?」



