何とかチャイムが鳴らないうちに校門をくぐり抜けた。
ギリギリセーフ。
もうここまできたら大丈夫だもんねー
るんるん気分で教室に入ると、まるでわかっていたかのように目の前に明菜が立っていた。
「おはよ、桜綾」
語尾にハートマークがつきそうなくらい女の子らしい声。
けれどそれが私にとっては恐ろしいほど寒気がした。
「昨日はありがとう。楽しかった」
「う、ううん……こちらこそ」
お願いだから早くどっか行ってよ……
心の中で強く想っていると、まるでそれを読み取ったように明菜は私の横を通り過ぎた。
「あんただけは絶対に許さない」
そう言葉を残して。
足が動かない。恐怖や絶望、それ以上に、明菜自身の恐ろしさに。
「桜綾?明菜と何かあったの?」
「え!?何もないよっ?」
魁と上手くいかなかった?
もしかして別れたとか?
それはないよね……?あれほどお互い思い合ってるんだから。
じゃあやっぱり昨日のことかな……
あいつから誘っておいて、勝手すぎる。
また面倒くさいことになったな。
「ねぇ、桜綾……」
「ん?」
何とか自分の席まで移動して、椅子に座る。
深刻そうな彩葉。
どうしたんだろ。
「あのね、遼也に聞いたんだけど……」
「桜綾ちゃん」



