好きが涙に変わって溢れてく。


周りには人がたくさん歩いていて、私達をチラチラと見る人もいる。


恥ずかしくなって離れようとしてみても、尊琉君は一向に力を弱めてくれない。




「どうしたの……?やっぱり、怒ってる……?」



恐る恐る聞いてみると、しばらくして尊琉君は私の体を離した。


ドキドキしながら返事を待っていると、いきなりパッと明るく笑って私を見る尊琉君。




「帰ろっか」


「へ?」


「もう結構時間過ぎたし……帰ろ」



笑顔で私の手を握って歩き出す。



「ちょ、ちょっと尊琉君!?」



訳がわからないけど、尊琉君のされるがままに私は連れて行かれた。













――――――――
―――――


スマホのアラームが部屋中に鳴り響く。

音量が最大にしてあるから、外にまで聞こえてそうな気がした。



もう朝……?

まだ1時間くらいしか寝てないって……




「おいっ‼うるせぇから早く止めろよ‼」


「んー……?」



バタンと大きくドアが開いて、間違いなくお兄ちゃんの叫び声にまだ眠気が取れてない私は、手だけを動かしてスマホを探す。



―――あれ……ない。



「あほっ、机の上じゃねぇかよっ」



やっと体を起こすと、先にお兄ちゃんが見つけてアラームを止めてくれた。



「あ、ありがと」



そうだった……ベッドの近くだとすぐに寝ちゃうからわざと机の上に置いたんだった……



「早く準備しろよ。遅刻するぞ」



スマホを私に放り投げて、お兄ちゃんはドアを閉めた。



うーわ……寝起き見られた。最悪。


しかも遅刻だなんて、なんの為に私がアラーム設定したと思ってんのよ……



「…………」



……へ?


あれ、何でだ?



何度も目を擦って私はスマホに表示されている時計を見る。



7時30分に設定したはず。


なのに……




「は、8時30分~!?」