「え?」
「いいの。行こっ」
手を引っ張って、先に入ろうとしている明菜たちの後を追いかけた。
「どうせただ進めばいいだけでしょ。余裕じゃない」
あれだけバカにされて負けてられるか。
目瞑って耳塞いで、後は尊琉君に誘導してもらえば……
「何言ってんの……ここ迷路になってるんだよ?」
「え……?」
うっそ……
わかった時には既に遅く、もう入り口にまで来てしまった。
迷路だなんて、知らなかった……どうしよう。
「魁くん入ろっ」
明菜と魁はすんなり中に入っていき、真っ暗闇の中に消えていく。
私は、また足が止まってしまった。
「どうする?やっぱやめとくか?」
出来ることなら入りたくない。
今からでも間に合うし、引き返したい。
でも……
「い、行きます……」
ここまできて、やめるのも何か嫌。
「本当に?」
「うん。た、尊琉君……お願いだから離れないでね?」
“それから幻滅しないで”と祈るように心の中で呟いて、尊琉君の腕にしがみついた。
「当たり前。絶対離れねぇよ」
心強いけど不安。足震えてるし……
恐る恐る中に入ると、一瞬で視界が真っ暗になった。
魁と明菜の声がしない。もうそんなに進んだの?
前がよく見えないし、恐ろしいほど中は静かだ。
聞こえるのは歩く足音と、床の軋む音だけ。
「大丈夫?」
「無理っ‼怖い‼」
ゆっくりと先に進んでいくものの、尊琉君にしがみついたままで上手く歩けない。
お願いだから何も出て来ないで……



